コーポレートガバナンス・コードの実践|開示と対応のポイント

  • 2026年3月4日
  • 最終更新: 2026年3月11日

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ガバナンス強化と合わせて「BCP(事業継続計画)の作り方」にも取り組むことが推奨されます。

コーポレートガバナンス・コード(CGコード)は東京証券取引所が上場企業に定めた企業統治の行動指針で、「コンプライ・オア・エクスプレイン」の原則で運用されます。5つの基本原則(株主の権利・ステークホルダーとの協働・適切な開示・取締役会の責務・株主との対話)を理解し、実質的な対応と開示を行うことが求められます。

コーポレートガバナンス・コード(CGコード)は、東京証券取引所が上場企業に対して定めた企業統治の行動指針です。2015年に策定され、2021年に改訂版が適用されています。

CGコードは法的な義務ではなく「コンプライ・オア・エクスプレイン」(遵守するか、遵守しない場合はその理由を説明する)の原則で運用されます。しかし、機関投資家の議決権行使においてCGコードの遵守状況が重視されるため、実質的には遵守が期待されています。

本記事では、CGコードの基本原則と実践的な対応ポイントを解説します。

本記事は「中小企業に必要な内部統制|基本の考え方と構築ステップ」シリーズの一部です。

本記事はStartLinkの「経営管理DX完全ガイド」関連記事です。

この記事でわかること

  • CGコードの5つの基本原則(株主権利・ステークホルダー・開示・取締役会・対話)
  • プライム市場の追加要件と各市場区分の対応範囲の違い
  • コンプライ・オア・エクスプレインの実務的な対応方法と開示の書き方
  • CGコード対応の実務チェックリストと定期的な見直しのポイント

これらのポイントを理解することで、自社の課題に対する具体的な打ち手が見えてきます。実践的な知識を身につけたい方は、ぜひ最後までチェックしてください。

CGコードの5つの基本原則

原則 内容
原則1 株主の権利・平等性の確保
原則2 株主以外のステークホルダーとの適切な協働
原則3 適切な情報開示と透明性の確保
原則4 取締役会等の責務
原則5 株主との対話

主要な要求事項と対応ポイント

取締役会の構成(原則4)

要求: 独立社外取締役を1/3以上選任(プライム市場は過半数が望ましい)

対応ポイント:

  • 事業の知見を持つ独立社外取締役の選任
  • スキルマトリクスの開示
  • 取締役会の実効性評価の毎年実施

指名・報酬委員会(原則4-10)

要求: 独立した指名委員会・報酬委員会を設置(プライム市場では必須に近い)

対応ポイント:

  • 委員の過半数を独立社外取締役で構成
  • 委員長は独立社外取締役が望ましい
  • 活動内容の概要を開示

サステナビリティ対応(原則2-3、3-1③)

要求: サステナビリティに関する取組みの開示、気候変動リスクの開示(TCFD)

対応ポイント:

  • マテリアリティ(重要課題)の特定
  • 気候変動リスクのシナリオ分析
  • 人的資本・多様性の情報開示

政策保有株式(原則1-4)

要求: 政策保有株式の保有方針と検証結果の開示

対応ポイント:

  • 保有目的の明確化
  • 保有効果の定量的検証
  • 縮減方針の明示

コンプライ・オア・エクスプレインの実務

CGコードのすべての原則を遵守する必要はありませんが、遵守しない場合は合理的な理由を「コーポレートガバナンスに関する報告書」で開示する必要があります。

良いエクスプレインの例:

「当社は独立社外取締役の人数が2名(取締役会の1/3未満)ですが、事業に精通した社外取締役2名が取締役会で積極的に発言し、経営の監督機能を十分に果たしています。次回の定時株主総会において1名の追加選任を予定しています。」

悪いエクスプレインの例:

「当社の規模では独立社外取締役3名は不要と判断しました。」(→理由が不十分で、改善の意思も示されていない)

CGコード対応の実務チェックリスト

項目 対応状況
独立社外取締役の選任(1/3以上)
取締役会の実効性評価の実施
スキルマトリクスの開示
指名・報酬委員会の設置
サステナビリティ方針の開示
内部通報制度の整備
政策保有株式の検証
株主との対話方針の策定
コーポレートガバナンス報告書の更新

IPO準備企業のCGコード対応

IPO準備企業は、上場前からCGコードの要求事項を意識した体制整備が必要です。上場後すぐにCGコードの適用が始まるため、N-1期までに主要な項目の対応を完了させておくことが望ましいです。

IPO準備のスケジュールで述べたN-2期のガバナンス強化フェーズで、CGコードの各原則への対応方針を決定し、体制整備を進めましょう。取締役会の実効性向上で解説した手法を活用して、CGコードが求める取締役会の実効性評価にも対応できます。

CRMで実現するコーポレートガバナンス・コードの実践

コーポレートガバナンス・コードの実践を実務に落とし込むには、CRMツールの活用が不可欠です。詳しくは「経営ダッシュボードの作り方|KPIを一覧で可視化する設計手順」で解説しています。


次のステップ

コーポレートガバナンス・コードに取り組むなら、CRMツールの活用が効果的です。以下の記事でHubSpotを使った具体的な実践方法を解説しています。

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まとめ

  • CGコードは5つの基本原則(株主権利・ステークホルダー・開示・取締役会・対話)で構成
  • 「コンプライ・オア・エクスプレイン」の原則で運用されるが、実質的に遵守が期待されている
  • プライム市場は独立社外取締役1/3以上、サステナビリティ開示など追加要件あり
  • 遵守しない場合はエクスプレイン(理由説明)の質が機関投資家の議決権行使に影響
  • CRMデータの開示・活用は「適切な情報開示と透明性の確保」の原則に貢献

よくある質問(FAQ)

Q1. コンプライ・オア・エクスプレインとは何ですか?

CGコードの原則を「遵守する(コンプライ)」か、遵守しない場合は「その理由を説明する(エクスプレイン)」かのいずれかで対応する運用原則です。すべての原則を遵守する必要はありませんが、エクスプレインの質が機関投資家の議決権行使に影響するため、合理的な理由と改善の意思を示す説明が求められます。

Q2. プライム市場とスタンダード市場でCGコードの適用範囲は異なりますか?

はい。プライム市場は全原則(基本原則+補充原則)が適用され、独立社外取締役1/3以上、サステナビリティ開示、指名・報酬委員会の設置など追加要件があります。スタンダード市場は基本原則のみが適用対象です。IPO準備企業は上場前からCGコードの要求事項を意識した体制整備が必要です。

Q3. 取締役会の実効性評価はどのように実施しますか?

毎年、取締役にアンケートやインタビューを実施し、取締役会の運営・構成・議論の質を評価します。評価結果の概要と改善の方向性をコーポレートガバナンス報告書で開示します。第三者機関による評価を受けることで客観性が向上し、機関投資家からの信頼性も高まります。

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著者情報

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今枝 拓海 / Takumi Imaeda

株式会社StartLinkの代表取締役。
HubSpotのトップパートナーである株式会社H&Kにて、HubSpotのCRM戦略/設計/構築を軸として、 国内・外資系エンタープライズ企業へコンサルティング支援を実施。 パーソルホールティングス株式会社にて、大規模CRM/SFA戦略の策定・PERSOLグループ横断のグループAI戦略/企画/開発ディレクションの業務を遂行経験あり。
株式会社StartLinkでは、累計100社以上のHubSpotプロジェクト実績を元にHubSpot×AIを軸にした経営基盤DXのコンサルティング事業を展開。